「営業の売り込みが苦手で売り方がわからない」
「もっと営業成績を伸ばせるコツを知りたい」
このように、多くの営業マンはお客さんに商品を買ってもらうために「売り込まなければいけない」「どんどんセールスしなければならない」と考えがちです。
しかし、なかなか成約に繋がらず、売り込みに苦手意識を感じてしまう方も多いのではないでしょうか。
商品が売れない原因は「商品の質が悪い」「お客さんが商品の良さを理解してくれない」のではなく、『売り込みをするから売れない』のです。商品を売り込もうとすればするほど売れないのが営業のミソであり、多くの営業マンがこの悪循環に陥ってしまっています。
本記事では、”売り込まずとも売れる”営業について、お客さんに商品を欲しがってもらうためのコツをご紹介します。
営業時に効果的なフレーズや、営業トークの流れについて具体例を挙げつつお話ししますので、営業で売り込みを苦手に感じている方や営業成績をもっと上げていきたいと考えてる方は、ぜひご参考にしてみてください。
営業での「売り込み」とは?
営業の売り込みとは、商品やサービスをセールスすることを言いますが、お客さんのニーズを無視して、無理やり商品を押し売るようなイメージを持つ方が多いことも事実です。
売り込み営業をしたことがある方は実感しているかもしれませんが、売り込みで成約を獲得していくのは難しく、お客さんに嫌な顔をされながらも強引にセールスをするのは厳しいでしょう。
売り込み営業について以下のように捉えるお客さんが多く、一般的に良い印象とは言えません。
- 欲しくないのに売りつけられる
- 知らない人にいきなり押しかけられる
- 失礼・迷惑・不要と感じる
また、売り込む側としても、冷たくあしらわれたり迷惑そうにされたりするうちに、売り込み活動に対してマイナスに捉えてしまう方が多いのではないでしょうか。
多くの営業マンが売り込み営業で失敗する原因は「商品を売るから」でして、お客さんが商品やサービスに必要性を感じておらず欲しいと思っていないフェーズで商品を売っても、購入には繋がりません。
それでは、次の章で売り込み営業で商品を売ってはいけない理由や、何を売るべきなのかについて確認していきましょう。
売り込みは逆効果
営業で積極的に売り込みをすることは逆効果と言われている時代とはいえ、売上を作っていかなければ会社や事業を継続させていくことは難しくなってしまいます。
しかし、「売り込み」そのものが無意味というわけではありません。効率的に営業をするためには、商品を買って欲しいからとひたすらに売り込むのではなく、お客さん自身が商品を欲しいと思えるようなセールストークをしていくことがポイントです。
ここからは、上述で述べた売り込みのマイナスイメージに加えて売り込み営業のデメリットを理解したうえで、商品ではなく何を売るべきなのかについて考えていきましょう。
売り込みのデメリット
売り込み営業と一言にしてもさまざまな種類がありますが、主にアポ無しでの訪問営業やテレアポ営業のデメリットとして、以下が挙げられます。
- 話を聞いてもらえない
- 断られてしまう
- なかなか成約が取れない
- 効率が悪く、疲れる
- 悪評に繋がる場合もある
お客さんが「営業をされている」「売り込まれている」と感じると、自然と避けられてしまったり、迷惑そうな態度を取られてしまうこともあるでしょう。
とにかく商品やサービスを買ってもらいたいからと熱心にセールストークをする営業マンがいますが、これこそが売り込みを逆効果にしてしまう原因です。
「この商品がすごくおすすめです!」
「こんなに素晴らしい機能なので買うべきです!」
上記のように、商品やサービスについてひたすらアピールする営業マンを日常生活に置き換えてみると、自分の自慢話ばかりする人と同じになってしまいます。
また、お客さんの反応が悪いためになかなか営業成績を伸ばせず、心身ともに疲弊してしまうことも売り込み営業のデメリットと言えるでしょう。
お客さんは商品が欲しいわけではない
営業の目的は商品を売ることに変わりませんが、商品を売り込まれてすぐに買う気になるお客さんは少ないでしょう。
また、「商品の良さを伝えれば欲しくなるだろう」といった考えも危険です。
お客さんは商品そのものが欲しいわけではないため、営業マンが商品を売り込もうとしている限り、商品は売れません。
もしあなたが次の2つの営業を受けたとして、どちらの提案が商品を欲しいと感じるでしょか。
「この枕は羽毛を使用しており、柔らかい寝心地が特徴的です。寿命は3〜4年と長持ちするので、オススメです。」
「この枕を使ったら、翌日は快適な目覚めを体感しました。また、熟睡できたことで仕事のパフォーマンスも上がったように感じます。」
前者は商品のスペックやメリットを解説しているのに対し、後者は商品を使うことで得られる恩恵について話しています。
売り込み営業でのポイントは、お客さんに商品を欲しいと思ってもらうことです。お客さんは商品が欲しいのではなく、商品を欲しいと思うきっかけが欲しいのです。
そのため、お客さんが商品を必要としていない時点では商品内容を説明するのではなく、まずは商品を使うことで得られるベネフィットを伝え、商品に興味を持ってもらうことが効果的と言えるでしょう。
”売り込まずに売る”営業のコツ
ここからは、営業で売り込まずに売るためのコツについてご紹介します。
「この商品がおすすめです!」「買わないと損ですよ!」といったように売り込む営業スタイルではなく、お客さんが自ら商品に興味を持ち、欲しいと思ってもらうためのきっかけ作りをしていく意識をすることがポイントです。
まずは、今日から営業時に使っていける3つのコツについて確認していきましょう。
お客さんの悩みに共感する
一つ目に、お客さんの話をよく聞き、悩みに共感することがコツです。
売り込みでは営業マンが一方的に話を持ちかけるイメージがありますが、売り込まない営業ではお客さんの話を引き出していくことがメインとなります。
営業時に限らず、人は自分の話を聞いてくれる人に対して信頼を抱きやすいため、お客さんの悩みに共感することを意識しましょう。
そうしていくことで、「営業されている」とお客さんが感じているバリアが剥がれ、徐々に信頼関係を構築していくことができます。また、お客さんは商品に魅力を感じて購入を決めるのではなく、信頼できる人の商品やサービスだから買いたいと感じることもコツとして押さえておきましょう。
そのため、まずはお客さんと信頼関係を築く必要があり、その手段としてお客さんの悩みに共感して関係値を高めていくことが効果的な営業手法といえます。
商品の説明ではなく未来を見せる
続いて、商品の説明ではなく未来を見せることがコツとなります。
先ほど少しお話ししましたが、お客さんは商品が欲しいわけではありません。
お客さんは商品そのものが欲しいわけではなく、商品を買うことで得られる利益や体験をしたいと思った時、初めて商品に必要性を感じます。
商品を欲しいと思っていないお客さんに対して売り込み営業をしても、購入してもらえないどころか興味を持ってもらうことすら難しくなってしまうでしょう。
そこで、商品の説明をする前にすべきなのが、ベネフィットの提示です。
ベネフィットとは、商品やサービスを使うことでお客さんが得られる利益のことであり、コツは「その商品を使うことでお客さんにどのような未来が待っているか」を伝えてあげることです。
ベネフィットを伝えた上で、お客さんが商品を必要とし興味を持ってもらえたら、商品の説明を行いましょう。そうすることで、積極的に売り込まずとも売れる営業活動が行えます。
自己開示で信頼を築く
3つ目のコツは、営業マン自らが自己開示を行い、お客さんの信頼を得ることです。
自己開示をすることでお客さんは好意的な印象を持つようになり、今度は逆にお客さん自身の情報や悩みについて打ち明けてくれる信頼関係が生まれます。
自己開示のコツとして、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 自己開示の許可を得る
- 素直に本当のことを話す
- 商品やサービスと関連性のある話をする
いきなり自分の話をし始めても、お客さんは話を聞く体制ではないこともあるため、まずはお客さんに対して自分の話をする許可を得てください。また、信頼関係を築くためには嘘や誇張した内容ではなく、本当のことを話すこともコツの一つです。
そして、ただの自己開示で終わらないために、今後売り込みをしていきたい商品やサービスに関連する内容で自己開示を行っていきましょう。
注意点として、自慢話にならないようにすることが挙げられます。
自己開示は自分自身の話になるため、どうしても自慢話のように聞こえてしまいがちですが、突然押しかけてきた営業マンに自慢話をされても、お客さんは困ってしまいますよね。
営業で自己開示をする時には、失敗談なども織り交ぜて話すことで親近感が生まれたり、営業マンからお客さんに対する信頼が伝わり、関係値を築きやすくなることでしょう。
また、1つ目のコツとして挙げた「お客さんの悩みに共感する」についても、信頼関係があると話を引き出しやすくなります。売り込まずとも売れる営業のコツとして、ぜひ自己開示を意識してみてください。
営業トークの「さしすせそ」を使いこなそう
続いて、売り込みせずに売る営業のコツとして、お客さんの話を引き出すためのフレーズについてご紹介します。
営業トークの「さしすせそ」を押さえることで会話が途切れにくくなったり、お客さんを良い気分になってもらえたりする効果があるため、営業マンはぜひ押さえておきましょう。
営業トークの「さしすせそ」とは?
売り込みせずに売る営業のコツとして効果的な営業トークの「さしすせそ」とは、営業時に活用できるフレーズの頭文字で構成されます。
お客さんを褒めたり会話を引き出すために使われ、信頼関係を構築していくために以下のようなフレーズを使います。
- さ:「さすがですね」
- し:「知らなかったです」
- す:「すごいですね」「素晴らしいですね」
- せ:「センスがありますね」
- そ:「そうなんですね」
上記のように、お客さんを褒めるような言葉を使って会話していくことで、スムーズに営業トークが進むだけでなく、お客さんとの関係を構築していく上でも役立ちます。
売り込まない営業のコツとしてお客さんとの信頼関係が重要になってくるため、営業トークの「さしすせそ」を活用することで、効率的に商談を進められることでしょう。
また、不自然なほどに「さしすせそ」を多用することは避けるべきと言えます。ただフレーズを使えばいいのではなく、会話の流れや雰囲気などを意識して要所で活用することがポイントです。
「さしすせそ」でお客さんの話を聞き、引き出す
売り込まずに売る営業のコツとして使える営業トークの「さしすせそ」は、お客さんとの関係を構築するだけでなく、話を引き出す効果があります。
上述でもお伝えしたように、いくら商品のメリットを熱心に伝えても、お客さんの信頼は得られません。お客さんに信頼され、商品を欲しいと思ってもらうためには、お客さんの話を引き出し共感することがポイントです。
そこで、営業トークの「さしすせそ」を使いながら商談を進めることで、お客さんの自己開示や売り込みせずとも売れる営業に繋がるでしょう。
この手法は、営業相手だけでなく社内でのやりとりや、日常生活において人間関係を築いていくために効果的なものですので、ぜひ意識してみてください。
「さしすせそ」の注意点
売り込まずに売るための営業のコツとして有効な「さしすせそ」ですが、使用する際には以下の項目に注意しましょう。
- 感情を込める
- 乱用を避ける
- 本音で接する
お客さんの話に対して、とにかく「さしすせそ」を使えば良いというわけではないため、まずは発する言葉に感情を込めて使いましょう。
また、乱用しすぎるとお客さんは馬鹿にされているのかと不快になってしまったり、言葉そのものが軽く聞こえてしまう場合もあります。
売り込みせずとも売れる営業トークを行うコツとして、自己開示の章でもお話ししたようにお客さんには本音で接することを心がけてみてください。
営業トークの流れと例文を紹介!
売り込まずに売るためのコツとして、営業トークの流れと例文をご紹介していきます。
まず、営業トークの流れは以下のような構成で行うことが効果的です。
- 挨拶
- 雑談
- ヒアリング
- ベネフィットの明示
- 商品説明
- クロージング
それぞれについて確認していきましょう。
挨拶
お客さんに好印象を持ってもらうためには、最初の挨拶で以下のコツを意識してみてください。
- 自分や会社の情報を具体的に話す
- 身元を明確に明かす
- お辞儀は90度で3〜5秒
挨拶をする際はシンプルに、必要な情報を述べましょう。
(例)
「〇〇株式会社から参りました、××と申します。」
「△△の近くにある会社です。」
雑談
続いて、アイスブレイクと呼ばれる雑談に入ります。いきなり売り込みに入るのではなく、雑談でお客さんの緊張をほぐしておくことで、打ち解けてもらいやすくなるでしょう。
雑談時のネタを探す際は、お客さんの好きなことや得意なことについて褒めるのがコツです。
(例)
「かっこいい車ですね」
「素敵なお花を飾られていますね」
「(写真を見て)お子さんですか?」
ヒアリング
雑談が弾み、商品に関連する話題が出たら、お客さんの悩みをヒアリングします。
ここではまだ売り込まず、営業を行う上で最適な提案をするための情報を集めてください。
ヒアリングをする際は、以下のような項目を押さえておくと良いでしょう。
- 悩み・課題
- 今使っている商品
- だいたいの予算
- 商品への懸念点
- 重要視するポイント
- 決裁権を持つ人
お客さんの悩みについて徹底的に聞き出すことで、それらの問題を解決するための提案が行いやすくなります。
ベネフィットの明示
続いて、お客さんに商品を必要だと思ってもらうためにベネフィットを提示しましょう。
ベネフィットについては上述で解説しましたので、例として以下をご覧ください。
(例)
<ファミリーカーの購入を検討しているお客さん>
△:7人乗れる、荷物がたくさん積める
◯:家族全員で出かけられる、家族全員で旅行して思い出が作れる
商品説明
お客さんの悩みを聞き出し、ベネフィットを伝えてお客さんが商品を欲しいと感じたところで、商品の説明を行います。
商品の説明をする際のコツとして、以下の項目を意識してみてください。
- 数字(費用や期間)は正確に具体的に伝える
- 購入した後の未来をイメージさせる
- 疑問や不安な点は早く解消してあげる
クロージング
最後にクロージングを行い、一連の営業が終了します。
上記の流れで上手くお客さんの心を掴むことができていれば、「どうされますか?」「購入されますか?」と問いかけるだけでOKです。
もし断られてしまっても、購入するかどうかはお客さんが決めることですので、無理に売り込む必要はありません。
まとめ:営業は売り込みではなくお客さんの悩みに寄り添うことがポイント!
今回は、売り込みせずに売るための営業トークのコツについてご紹介しました。
売り込み営業が苦手だという方も、売り込まない営業トークのスキルを身につけることで、今以上に楽しく営業活動に取り組んでいけるのではないでしょうか。
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売り込み営業はもうしたくないという方、営業成績を上げたいという方はぜひご覧ください。